気球を使って世界中をWiFiエリアに。Googleのプロジェクトリーダーが語る壮大な目標

 ── Project Loonを思いついたきっかけは? 

以前から、高高度での通信ネットワーク構築について、さまざまなアイデアが出されていました。しかし、どのアイデアも、気球を地上に繋ぎ止めるか、上空で1カ所に留まり続ける飛行体を想定したものでした。私たちは、「気球が風で飛ばされてもいいじゃないか」と考えたのです。ある気球が飛ばされても、別の気球が空いた場所を埋めればいいわけです。


── 気球の開発はどのように行われたのですか? 

はじめは、気象観測気球に普通のルーターを取り付けました。そして、ルーターのカバー範囲を15メートルではなく、20キロにするべく改造しました。しかし、まだ問題は残っていました。通常の気象観測気球は、成層圏まで上昇すると、破裂してしまうのです。私たちは、100日は使える気球を望んでいました。そのために「スーパープレッシャー気球」を開発する必要がありました。ケブラー素材でできた、45トンの圧力に耐える気球です。


── どんな技術が使われていますか? 

技術革新はありましたか? 私たちが世界で初めて、安定して高度をコントロールできるシステムを開発したのだと信じています。私たちの気球は、ソーラーパネルで発電し、GPSで現在地を把握します。イリジウムのアンテナで通信し、搭載されたコンピューターで命令を受け取り、どこへ移動すべきかを判断します。地上のコントロールセンターで気球を24時間監視します。


── 気球はかなりの距離を移動します。

ある気球は22日間で世界を一周したんですよね? 今、その気球は世界2周目に入っています。私たちの目標は、気球で地球全体をWiFiエリアにすることです。


── ビル・ゲイツ氏が、「マラリアで死にそうになっている時に気球が見えたとして、それが何の助けになる?」と言っていますが、どう思いますか? 

統計によると、ブロードバンドの使用率が10%増えると、GDP(国内総生産)が1.4%上昇するそうです。現在GDPの成長率が3%の国で、ブロードドバンドの使用率が20%増えると、成長率が2倍になるのです。その結果、生活水準、教育レベル、保健衛生なども改善されます。

カシディ氏が率いるこの壮大なプロジェクト、今後の発展に注目です。

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