日本酒の魅力 in ミラノ(中田英寿)

「本物を知れば、きっと好きになる」。中田さんは日本酒の可能性を信じている。世界各地で日本酒の魅力を伝えてきたプロジェクトの次なる舞台はイタリア。彼にとっての“第2の故郷”だ。

中田英寿の日本酒“愛”が止まらない。2012年のロンドン五輪、14年のブラジルW杯に続き、今年は家具の見本市「ミラノ・サローネ」で期間限定の日本酒バーをオープンした。「今、和食は多くの海外都市で楽しむことができます。和食が無形文化遺産に登録されたこともあり、今後も成長する可能性が大きい。一方で、日本食に欠くことのできない酒や器への関心はまだまだ。逆に考えれば、大きな可能性を持っているともいえます。日本の食文化をきちんと伝えるためにも、そういったトータルでの情報を発信していきたいと思っています」

2015年4月のミラノ・サローネでは、中田さんプロデュースの日本酒バー「Sakenomy」が大盛況。日本酒への関心の高さは本物のようだ。人気の裏には、中田さんならではのこだわりもあった。「単に日本酒だけを紹介するのではなく、合わせる食べ物も一緒に提案するようにしました。ワインは基本的に料理の味を洗い流すために飲むものですが、日本酒は食べ物の美味しさをひきたててくれる。

さらに器一つでも味わいが変わります。日本酒に合う肴(さかな)と器。“本物”を知ってもらえれば、きっとまた飲みたいと思ってもらえるはずです。今年開催のミラノ万博は、食がテーマ。美味しいものを食べたいという欲求は万国共通ですから、これを機に日本酒が世界中に広がればと思っています」やるからには徹底的にこだわる。

レセプションの料理は、ミラノで一番人気の日本料理店『Finger's』が担当。料理にあわせて出された日本酒は、美濃焼の酒器で提供された。さらには、中田さんの思いに共感する全国の蔵人がミラノに集結。自ら酒を振る舞った。


「仕事も遊びも覚悟を持って突き詰めないと面白くないじゃないですか。そのために僕も全国の酒蔵に足を運び、酒を知り、人とつながっていくうちに、日本酒の素晴らしさを多くの人に知ってもらうためにできることはないかと考え始めたんです。自分が主役になりたいとは思っていません。

日本酒だけに限らず、隠れた才能、人材を世に送りだすプロデューサーのような役割を果たせたらいいですね」5月から開催されているミラノ国際博覧会のタイミングでもSaKenomyを出店(6月20~24日)。市内のレストランともコラボレーションして、日本酒を提供するサテライト店を開く。今回は、中田と日研総業の共同プロジェクト「ものづくり ニッポン」で採用されたものづくりの研修生5名も渡欧し参加。彼ら自身が人間国宝の漆芸家・室瀬和美さんから学んでつくった漆の酒器を持ち込み披露する。


ミラノから世界へ。中田さんの愛と夢が広がっていく──。

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